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ソニックガーデンの納品のない受託開発における約束事についてゆる考

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先日のブログでソニックガーデンの受託開発について書いたのですが、その続きです。納品のない受託開発における決まり事にはどのような理由があるのかを考えてみました。

ソニックガーデンの納品しない受託開発がおもしろい - PILOG

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約束すること

「価値に見合うパフォーマンスを出すために全力で働くこと」

クライアントから毎月もらう金額に見合ったパフォーマンスを出さなければこのビジネスは続けられません。クライアントが納得するパフォーマンス(=無料お試し期間での仕事の結果で判断してもらっている)を出すというのが、納品のない受託開発で提供しているサービス、肝でしょう。

「お客さまのビジネス価値に繋がらないことには意見すること」

メインの売り物が価値に見合うパフォーマンスだとすると、この約束事は付加価値になっています。プロダクトの成長に積極的に関与しますよという意思表示です。プロダクトの方向性が定まっていない場合でもソニックガーデンに依頼すれば方向を修正しつつプロダクトを育てていける、という価値に繋がっています。

「お客さまには出来ることと出来ないことを正直に話すこと」

こちらも付加価値といえば付加価値になるのかな…。自分たちで出来ない可能性があることを「できるから任せてくれ」なんて姿勢で失敗なんてしたらクライアントに迷惑をかけます。自分たちの信頼も失うことになります。

約束しないこと(やらない、と約束すること)

「納品や提供のためのドキュメントは作らないこと」

ドキュメントと言ってもいろいろあると思いますが、要件定義書やテスト関係の書類などプロダクト自体に何の価値も付与しないものもあります。例えば要件定義書や設計書なんかは最初に作るものを決め、あとから言った言わないにならないために用意しておくものです。設計書に従って作るには◯◯万円です、設計書にないからできません、仕様変更するには追加で◯万円です、みたいな。

そんなの意味ないのでやめませんか、ということなんだと思います。

「お客さまの会社にプログラマは訪問しないこと」

これは記事中に記載がありました。自社に訪問してもらえればかからない費用が発生させることになってしまうからとのことです。

「見積もりと調整のための営業担当がいないこと」

見積もりや調整はクライアントになんの価値も提供しません。クライアントに価値を提供しないのだったら、その分の人件費はかけずに本来の開発業務にあてたほうがコストもかからないでしょう。

「納期を絶対に死守するという約束はできないこと」

納期を死守するという約束をすることは、変更に柔軟ではなくなるということになります。前回の記事で書きましたが納期を守ることが第一目的となってしまい、本当に必要な意見を抑えこむことになります。それだったら「納期は守れません、でもいいものにするための努力はしますよ」といった約束をしたほうがクライアントにとっても自分達にとっても健全です。

まとめではないけど

やることとやらないことが合理的で、ある意味対になっていますね。やらないことをやろうとしていると、おかしなところで足を引っ張られて「価値に見合うパフォーマンス」が出せなくなるので。